コウゴ・カナエ

十二角形の部屋

展示によせて(長文です)

 

最初に図形を美しいと感じたのは、記憶のあるかぎりでは、中学3年生のときのこと。一次関数と二次関数の交点と直交座標の原点に囲まれた三角形の面積を求めることになったときです。

数に整備された関数の明瞭さと美しさを知り、惹かれたのでした。

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上図の原点と交点を結んでできる三角形の話


けれど、図形や幾何学がすきなこと、図形を使って絵を描いたりものを作ったりすること、それ自体がすきなことを声に出すようになったのは最近のこと。

 

4年制大学デザイン学部を卒業し、会社勤めを1年半。手を動かして何かをつくることがすきだと再認識し、行動してみたくなりました。

 

展示の会場は、東銀座の一角にひっそりとたたずむ cafe634。634は “ムサシ” と読みます。モーニングとランチのカフェです。

私が大学1年生(5年前)で初めて訪れたとき、2階の壁には銀座の街の写真が展示され、光が差し込む高い天井と、柔らかい音楽と、優しいレモネードで、時間を過ごしました。

 

縁があり、現在働く職場はカフェの近く。学生の頃よりも頻繁に通えるようになり、お料理の魅力を知りました。

足して飾るのではなく、素材の良い部分を引き出すような食事。それらと、幾何学模様に内在する良さは、引き合うのではと思い、お願いをして、作品を展示させていただくことになりました。

 

12がすきなことには、多くの理由があります。

干支の数。twelveが一音節で一番大きな数であること。1番小さな過剰数で、仲の良い数(約数)が多いこと。そのため九九の表にも4度現れること。

三角形と四角形の組み合わせで十二角形を作れることに気づいたときはとてもときめいて、それが制作のアイディアのきっかけとなり、展示をするにいたりました。

 

お食事とともに楽しんでいただけましたら、幸いです。

 

コウゴ・カナエ

 

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